論語とコンピュータ(読み書きそろばん)

ちょっとずつ読んで、書いてみる

「論語の話」 吉川幸次郎 第25回

第25回 天命を畏るーー 論語の運命観(1) •天命というもの •子在川上曰、逝者如斯夫、不舎昼夜について 荻生説の悲観と朱子説、伊藤説の楽観。 吉川説の中間。 引用 時間は確かにものを時時刻刻に過去に移して参ります、滅亡の原理でもあります。しかし…

「これで死ぬ」羽根田治 著 山と渓谷社

ふと、これを読んでみた。 なるほど、こんなことで人は死ぬのだな。と感心するような山岳死亡事故(のみではなく、アウトドアでの事例)と原因、回避するための方法が掲載されている。 すこし時期は過ぎたが、これから涼しくなっていきアウトドアが盛んにな…

「論語の話」 吉川幸次郎 第24回

第24回「怪力乱神を語らず」ーー人間の限界への洞察 ・仁を欲し自らに求め続けなくてはならない。 ・しかし他人が認めないこともある。 ・人の己を知らざるを患えず、知られざるを患うるなり。 ・孔子は何度も自分自身の努力が必要で他人の評価に一喜一憂…

ゴヤの名画と優しい泥棒

科博(国立科学博物館)へのクラウドファンディングが耳目を集めた今年のお盆にこの映画をみた。 映画自体は、1961年に実際に起きた、ロンドンのナショナルギャラリーから14万ポンドで購入したゴヤの名画「ウェリントン公爵」が誘拐され(盗まれ)、「年金…

ヘルモニ 地獄からのおばあさん

地獄ババア という題名の韓国映画。 無実の詐欺罪で長年服役していた、人の心を揺さぶるスタンド使いのようなばあさんが、生き別れた息子の家で家政婦として働きだす。 一方、TV番組のプロデューサーは、「毒舌バトル」という、シチュエーションコント+MCバ…

「論語の話」 吉川幸次郎 第23回

第23回「仁を欲すれば斯に仁至る」ーー努力と可能性への信頼 ・前回の伝説は西暦0年の漢の時代にできた話だと思われるが、孔子の悲劇的性質を強調するためのものであろう。 ・この時代は孔子だけでなく、世間が乱れていた。一つは斉の国で帰化人の陳氏が…

「論語の話」 吉川幸次郎 第22回

第22回 最晩年の孔子と孔子伝説 ・魯に帰ってきてから、音楽を体系立て、詩を体系立てた。 ・彼の生きている現在の人間には失望し、将来の人間のために書き物を残そうとした。(五経) ・経というのは、本質、あるいは永遠という意味で、永遠に人間の規範…

「論語の話」 吉川幸次郎 第21回

第21回 天を怨まず、人をとがめず ・56-68才まで、さまよった。 ・弟子とともに困難にあっても互いに見捨てなかった。 ・困難には、政治家に囲まれる、敵対する者に批評される などがあった。 ・他方、市民から哀れに思われ同情されたり、支持者もいた。 ・…

「論語の話」 吉川幸次郎 第20回

第二十回 徳と好色 ・前回の「徳を好むこと、色を好む如くする者を見ざるなり」が、史記によるように霊公の夫人の南子に発せられたかは別として、「巧言令色鮮なし仁」と同じように初めの方と後の方に二回出てくる。 ・孔子が色をどう考えていたのか興味深い…

宮崎駿「君たちはどう生きるか」 ーボケ老人は生成系AIの夢を見るかー

話題の?宮崎駿監督作品を観てきた。 私にとって、このブログで過去に紹介してきた作品のいずれをも上回るクソ映画であった。 これは生成系AIに過去の宮崎駿作品を読み込ませ、 「もう、会社をたたみたい。人生の最後の作品としての新作をつくって」 と指示…

「論語の話」 吉川幸次郎 第19回

第19回 放浪遊歴時代(二) ・56才から70才まで、放浪した。 ・喪家の狗と言われたり、自らも水牛でもないトラでもないのに荒野をウロウロする。といったりしたほど。 ・「売れたい」ということを何度も・・・「死ぬまでに称せられる名が欲しい」「売れるものは…

「論語の話」 吉川幸次郎 第18回

第十八回 放浪遊歴時代(1) ・顔淵と子路。「これを用うれば則ち行ない、これを舎(す)つれば則ち蔵(かく)る、ただ我と汝と是れ有るかな」と顔淵をほめ、「暴虎馮河、死して悔い無き者は、吾、与せざるなり」と子路をたしなめた孔子だが、誰も理想を実…

世界的投資家は再生可能エネルギーについてどう考えるか(2023年BRK株主総会より)

2023年の株主総会で、投資家のウォーレンバフェットは再生可能エネルギーについて以下のように バフェット ・過去にBRKはミッドアメリカンという再生可能エネルギーの会社を買収し、今はバークシャーハサウェイエナジと呼ばれている。 ・国によって政策は異…

「論語の話」 吉川幸次郎 第17回 

第十七回 「義を見てせざるは勇無きなり」 ・史記によると孔子は朝廷にいる間に、少なくとも二人殺した。 論語にはこういうことは書いていないし、不愉快。信じたくない。 ・そもそも論語には、「悪い奴全部殺してしまえば、良い政治ができる?」ときかれ、 …

「論語の話」 吉川幸次郎 第16回 

第十六回 魯の宰相時代の生活 ・50-56才のキャリアについて →孔子は、当初都知事のようなポジションにつき、その後昇格して、建設大臣、司法長官、法務大臣、首相となった。 →そこで専横していた3ファミリの家老を排除しようとして負ける。 ・この間の言行は…

「論語の話」 吉川幸次郎 第15回

第十五回 「五十にして天命を知る」 ・孔子、50-56才まで魯の宰相になる。結果は失敗。 ・3つの家老の争いをやめさせようとして失敗、菅原道真っぽい。 ・荻生徂徠はこの点で、孔子は釈迦とは実務が違うと主張。 ・中国の最近の「論語」解釈研究では、名前を…

「論語の話」 吉川幸次郎 第14回

第14回 「論語」の「仁」とキリスト教の神 ・蒋介石も毛沢東も周恩来も論語は暗誦しているだろうと言ったら、ホーチミンはどうか?とリスナーからの質問。→ホーチミンも読み込んでいると思う。 ・「論語」と「聖書」の対比 人間の本質を罪びとととらえるか、…

「論語の話」 吉川幸次郎 第13回

第十三回 「論語」の世界観と老荘の道 ・論語の中には、没価値説やそれに基づく政治否認説がある。 ・直きを以て恨みに報い、徳を以て徳に報いよ → 新約聖書マタイ伝と比較される。老子にもある。 ・微子 第18には二つの没価値説者との遭遇が述べられてい…

「論語の話」 吉川幸次郎 第12回

第12回 孔子と老子の対話伝説 ・老子は、価値や秩序の否定。没価値説によって政治否定 ・老子は孔子よりも年配であるとして対話したという説がある ・孔子は老子に「礼」(社会生活、家庭生活の法則)について聞いた。 礼記には、日食の時に葬儀の列を止める…

「論語の話」 吉川幸次郎 第11回

第11回 政を為すに徳を以ってす ・孔子の政治は道徳による政治 ・篇名の付け方は最初の小の初めの2字を取って、雑多な内容を扱っている。 内容は自由に動き回っているので、為政だからといって政治のことだけ書いてあるわけではない。 ・刑を以て政をすれば…

「論語の話」吉川幸次郎 第10回

第十回 政治を通して理想を実現する ・陽貨には心を動かされなかった孔子だが、公山弗擾の反乱には招聘に応じようとする。子路は怒る。 ・なぜ招聘に応じようとしたのか。天命を知ることで、人生の有限を知ったのかもしれない。 ・子路について ・親ら(みず…

BRK 株主総会 インフレについて「現金はごみではない」

バークシャーハサウェイ株主総会動画から 現金はゴミではない。原文の韻がいいね。 バフェット ・FEDの動きについて特に心配していない ・2%のインフレに不安はない。 ・最も興味深いのは通貨の循環。毎週確認している。 ・誰も現金をゴミだと思っていない…

今後100年のBRKの展望について 2023年

バークシャーハサウェイの株主総会で、今後100年の展望について CEOのウォーレンバフェットと、副社長のマンガ―が発言した内容。 結論:長期的にはバリュー投資を続ける。 100年先のビジョンについての質問 バフェット ・グラハムについて。 チャーリーマン…

世界的投資家ウォーレンバフェットはAIをどう考えるか(BRK.A株主総会より)

バークシャーハサウェイのCEOであるウォーレンバフェットと副社長のチャーリーマンガーが2023年時点の年次総会でAIに関する考えを述べた。 要点は以下と把握(間違ってるかもしれないし、これを元に投資の判断に使えということではなく、投資家がAIをどう見…

「論語の話」 吉川幸次郎 第9回

第9回 孔子を取り巻く世の乱れ(二) ・権謀術数の世界 ・陽貨と孔子のレスバ。孔子の思慮。居留守、留守時の訪問に留守時で返すetc... 小言 こういうドロドロとした世情は現在にも通じるものがある。 孔子は、その中で、理想に燃えることばを発信しつづけ…

「論語の話」吉川幸次郎 第8回

孔子を取り巻く世の乱れ(1) ・論語の魅力のひとつはことばの強さ。 ・発憤忘食、楽以忘憂、不知老之将至云爾 ・人格の偉大さとともに、世界の現実がみにくかった。 ・斉の景公の先代の不倫下剋上スキャンダルと下手人の謀略失敗による自殺 ・外国勢力 陳…

「論語の話」 吉川幸次郎 第7回

第7回 「論語」は封建的な書物か ・「君君たれ、臣臣たれ、父父たれ、子子たれ」の続き。日本では「君、君たらずとも、臣は臣たらざるべからず、父、父たらずとも子は子たらざるべからず」というが、中国的ではないし、日本発祥ではないかと考えていた。 ・…

論語の話 吉川幸次郎 第6回

第6回 斉の景公との対話 ・司馬遷は列伝でなく世家、大名家の歴史に孔子の歴史を記載した。 ・30代半ばで音楽にあって感動して...と共に記載あるのは ・景公の話。在位は長いが凡庸な君主。 4000の馬がいたが死んだとき誰も褒めなかった。 伯夷叔斉は飢え死…

二つ星の料理人 Burnt

腕は一流だがトラブルメーカーな料理人アダムの成長物語。 なのか? たぶん、料理の演技は上手なのかもしれない。 あまりあんな風に怒鳴っているのがみえるレストランでは食事をしたいと思わないが。 ミシュランの調査員がそっとフォークを床に置くとか、水…

「論語の話」吉川幸次郎 第5回

第5回 「三十にして立つ」 孔子の青年時代について解説がはじまる ・10歳の時に、総理大臣である子産が学者が政治批判をするので大学をつぶせといった側近然明に、良いところは取ればいいし、悪いのは改めようと言ったのを、「ほかの人が子産を仁でないと言…