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ゴヤの名画と優しい泥棒

科博(国立科学博物館)へのクラウドファンディングが耳目を集めた今年のお盆にこの映画をみた。

映画自体は、1961年に実際に起きた、ロンドンのナショナルギャラリーから14万ポンドで購入したゴヤの名画「ウェリントン公爵」が誘拐され(盗まれ)、「年金受給者にBBC受信料を無料にせよ」という脅迫状が送りつけられ、裁判の経緯が大いに報じられた事件を題材にしている。

ストーリーは、主にこの泥棒氏(バントン)の独自の正義感と奥さん、息子とのかかわりのドラマである。泥棒氏は、14万ポンドがあれば、老人のBBCの受信料を無料にできると考えた。ある方法で、ウェリントン公爵の絵を人質にとり…

 

eiga.com

 

邦題がちょっと微妙かも?でも、The Dukeだと伝わらないだろうとか、言われたんだろうな。

分割スクリーンでスライドしてくる、昔風の演出がおしゃれ。

イギリスの法制度ならでは...という裁判や、北部イングランドの普通の人の生活が面白い。奥さんが一番の被害者では?とか。

 

下世話な話だが、この14万ポンド、ほとんどはWolfson foundationが出していたという(10万ポンドはWolfson、4万ポンドは英国政府)

www.wolfson.org.uk

 

犯人の思想は、ジャボジャボ税金を無駄遣いしやがって、とか、アレかコレか、的なシンプルすぎる独善的な暴走であることは否めないだろう。どっちも大切なのだ。

一方で、日本では、博物館がその所蔵品を守ることができる予算すら足りないという。正解は何だと言われると、どうしたものか…