論語とコンピュータ(読み書きそろばん)

ちょっとずつ読んで、書いてみる

童子問 第11章

「聖人の道は、知りやすく、行いやすいと先生はおっしゃいます。どうしてこの道を実行する人間はすくないのでしょうか。何か難しいところがあるのでしょうか。」

「あります。中庸の徳目によることが難しいのです。また、誠実に行くことがむずかしいのです。昔の人が皆良い人で、やることが適切なのは、人々が素朴で、うるわしい習慣を持ち、誠実で親切で人情に厚く。邪な行いをせず。名利を求めることがないからだ。だから、することが自然に中庸の徳目にかなう。だから、「中庸の徳を実行するひとがすくない」と言われる。今に近づくと、風紀は薄くなり、人の心は変わってしまった。バカはいうまでもなく、少し賢い者は名利を求め、普通の事を嫌って、新たなものを好む。手元にあるものを捨てて、遠くにあるものを求める。これが中庸の難しい理由だ。だから、孔子は「中庸は難しい。天下国家は、治めるとができる。爵位は断ることができる。白刃を踏むこともできる。が中庸ばかりは難しい」という。これが論語の極致である。」

 

きょうの言葉

朴 (ぼく) 切り出したままの材木。すなお。自然のまま。うわべを飾らない。

俗敦 (とんぞく) 美俗。うるわしい習慣。

敦厖(とんぼう) 敦厚(とんこう)親切誠実で人情に厚いこと。また、そのさま。