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「論語の話」 吉川幸次郎 第20回

第二十回 徳と好色

・前回の「徳を好むこと、色を好む如くする者を見ざるなり」が、史記によるように霊公の夫人の南子に発せられたかは別として、「巧言令色鮮なし仁」と同じように初めの方と後の方に二回出てくる。

孔子が色をどう考えていたのか興味深い資料ではある。

・他のところに色が出てくるが、

 若いときは性欲に、壮年期は怒りに、老年期はものを欲しがることに気をつけろ

 というところ。全否定しているわけではなく、節度を持てという考えではないか。

詩経の恋の歌を引いて、思いつめ方が足りないからだ。と言ったりする。色を否定はしていない。

・一方で、1966年時点でも社会的に受け入れられないようなことも言っている。

 中国以外など君主がいても中国で居ないのと変わらない。とか、女子供は相手にしにくい近づけると調子に乗るし、遠ざければ恨まれるとか…

・日本の漢学が中国に影響を与えた事件がある。これについてはまた次回。

 

小言

二回出ているということの重要性と、色への考え方。

そして年齢ごとの注意事項など、思い当たる節はたしかにある。