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「論語の話」 吉川幸次郎 第7回

第7回 「論語」は封建的な書物か

 

・「君君たれ、臣臣たれ、父父たれ、子子たれ」の続き。日本では「君、君たらずとも、臣は臣たらざるべからず、父、父たらずとも子は子たらざるべからず」というが、中国的ではないし、日本発祥ではないかと考えていた。

・孝経の注釈に「古文孝経孔氏伝」という聖徳太子の時代(中国 隋)に偽作された書物に記載あった。 →17世紀に太宰春台が復刻して逆輸入された

・本来の中国での思想と異なる演繹のされかたをした一例。

・仁を 人偏に二つ で相互の愛情とかいう通俗語源学はどうかと思うが、相互の愛を説く論語の論旨とかけ離れている。

・父母之年、不可不知也、一則以喜、一則以懼

・事父母幾諫 見志不従、又敬不違、労而不怨

・三尺下がって師の影を踏まずは日本の仏教の教え「実語教」。

論語では 当仁不譲於師(仁に当たっては師にも譲らず)

・男女七歳にして席を同じくせずは礼記の内則で育児法のこと。座布団や茶わんを別にして、いつまでも赤ちゃんとして扱うなというだけのこと。

 

小言

論語のものだと世間で思い込まれている言葉について、出典を調べて論語ではないと説明していく。読む者にとって、ここまででだいぶ印象が変化しているかもしれない。

 

幾諫(きかん)す。穏やかに忠告することの難しいことよ。

 

次回は30代のころの孔子を取り巻く世界がどういうものであるかを理解するために、景公のゴシップ的な話となる。