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2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

今昔物語 巻23 第14 左衛門尉平致経、明尊僧正を送りたる語

宇治殿と呼ばれた藤原頼通が権勢を誇っていたころの話。 この時、まだ明尊僧正は、僧正ではなく一階級下の尼僧の管理官(僧都)だった。 三井寺の一番偉いお坊さんになる明尊僧正が、宿直でお祈りをしていた。 灯火を灯していないが、もう暗い。 急遽この僧…

今昔物語集 巻第23 第15 陸奥の善司、橘則光、人を切り殺せる語

昔、清少納言の夫で橘則光という人がいた。 武士ではないが、肝の据わった賢い人で、力も強く、顔つきも良いので、一目置かれていた。 この人が若い時分、まだ前の天皇陛下の一条天皇の御代の話だ。 季節は旧暦の八月九日。深夜のことだ。 則光は、衛府の武…