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「論語の話」 吉川幸次郎 第12回

第12回 孔子老子の対話伝説

老子は、価値や秩序の否定。没価値説によって政治否定

老子孔子よりも年配であるとして対話したという説がある

孔子老子に「礼」(社会生活、家庭生活の法則)について聞いた。

 礼記には、日食の時に葬儀の列を止めるべきかなどを聞いたと記載ある。

・餞別の言葉をもらった。

史記孔子世家によると、「もっとみずからをむなしくせよ」

 → 一生懸命になりなさるな、細かいことに気が付きすぎると死刑になります。他人の欠点を非難すると身を危うくします。

史記の七十列伝ではもっと厳しい

 → 傲慢だ。欲深い。気が多い。捨てなさい。本は死んだ人の言葉だから意味がない。

 → 孔子は感心して、老子は竜だ。捉えどころがない。

・この対話伝説はすでにキリスト紀元前後には画像石と言ってレリーフに刻まれていた。

・ちなみにこういう伝説は、20世紀の学者は大体史実ではないとしている。

老子がいたかどうかすら疑問。

老子孔子よりも先達であるとされているが、論語への反発として発生したといわれている。逆説の思想は常識がなくてはできない。

・しかし、著者は論語にすでに逆説も含まれていると考える。つづきは次回。

 

小言

政治否定の老子から、逆説思想としての老子を紹介し、当時の学説としての老子の成立時期について述べる。

しかし、論語には老子荘子の要素は含まれている。と著者はいう。

ここに、伊藤仁斎が「最上至極宇宙第一の書」という意味があるのかもしれない。