読む/書く

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2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

今昔物語集 巻第25 第7 藤原保昌の朝臣、盗人の袴垂に値へる語

昔、袴垂というとんでもない大泥棒の親分がいた。 豪胆で、力強く、足は速く、腕が立ち、思慮があった。 天下無双であったので、あらゆる人のものを片っ端から奪って生業としていた。 冬のはじめの旧暦の10月ごろ、着るものが必要だったので ちょっと服を手…

「Mr.ノーバディ Nobody」2021

どうして邦題にMr.をつけたのかわからない。普通の会計士に見える工場勤務のおじさんが実は…という話。このパターンも実に多い。何かひねりがあるのかといわれると疑問だが、主人公自身も意外とケガするし、痛そう。 老人ホームであいまいになっているように…

「拳児2」2019

現在50前後の人たちが若い頃、大いに流行ったらしい中国拳法漫画の続編。 前作で中国拳法にかかわった結果、中国マフィアのメンバーになり、定職につかず、定年した公務員の親のすねをかじっている40近いおっさんになった拳児が主人公。 他武道のよそさまの…

「ウィリーズワンダーランド」2020

初秋、アメリカの田舎を旅する主人公のニコラスケイジは、村人に嵌められ、田舎の町に足止めされ呪われた遊園地に一晩閉じ込め掃除をさせられる。ここまでは、普通のB,C級ホラーの展開だ。ルールを破り、恐怖におびえて理不尽な行動を取ればいつものパターン…

今昔物語 巻19 第29 亀、山陰中納言に恩を報ぜる語

亀の恩返し パート2 延喜天皇のころ、藤原高房の子で、山陰という中納言がいた。 子だくさんだったが、その中に一人顔立ちのとても良い男の子がいた。 山陰中納言は、この子をたいそうかわいがっていた。 継母がおり、この子をとてもかわいがるので、 中納…

「復讐者のメロディ A blue bird in my heart」

出所したての主人公。シングルマザーと娘の経営するモーテルで再起を図ろうとするが、娘が悪者に…はいはい、知ってる。あのパターンね。と思った方、半分正解。 ただ、主人公はシンプルに犯人を殺し、最後はどこかへ去る。 無骨な主人公のおっさんが少女に恋…

「ニューヨーク 親切なロシア料理店 The kindness of strangers」2019

晩秋のNY。DV被害から逃げ出した親子、偽ロシア人のロシア料理店、まともに仕事をこなせない若者、本業よりも慈善活動に精を出す看護師、負け続ける弁護士の人生を一定の時間で切り取って見せる映画。落ちも山場も救いもない。 製作者が製作中にどうかなった…

「Ms.パニッシャー Cry for the Bad man」2019

アメリカ南部のどこかの村。主人公の未亡人が、家を売れと恐喝者たちに脅される。応じない彼女の家に恐喝者たちは押し入る。夫との思い出の詰まった、「自分が建てた家」を守るため主人公は…。 若者三人があの家を執拗に欲しがる理由がわからない。何か知っ…

今昔物語 巻19 第30 亀、百済の引済に恩を報ぜる語

亀の恩返し。 昔、広島の三次市のあたりに三谷というところがあった。 その郡の長官の先祖の話。 660年に百済国が滅亡した。 この長官の先祖、縁あって援軍を引き連れ百済に向かった。 白村江の戦いで、新羅と唐に敗れ、敗走した。 配下を失い、一人取り…

今昔物語 巻20 第1 天竺の天狗、海の水の音を聞きて此の朝に渡れる語

インドに天狗がいた。 天狗とは仏法を妨げる者である。とされる。 今でいうと、屁理屈を捏ねまわして論破してあるく輩のようなものだろう。 もともとはこの語、天を行く流星の意味である。 ちょうど元の話が書かれたころ、意味が変遷した。 だから、この天狗…