第1回 はじめに―――「論語」とはどんな書物か
・明治までは日本で最も広く読まれていた。
・500章くらいからなるが知識人は暗誦しているレベル
・学問、人道についての短い文章からなる
・国学者の本居宣長も読み込んでいるからこそ、批判ができている
小言
第一回は、論語とは、単に中国の古典であるという域を超えて、日本の文化そのものに影響を与えている書物である。という説明からはじまる。
ただし、本居宣長や福沢諭吉などの反漢学派や、内村鑑三さんのようなキリスト者が読み込んでいたことを事例として出すまでもなく、論語を読み込むことが、必ずしもその国や文化に隷属するものではないことは、明白である。
個人的な経験としてこの点を曲解した中国人に昔絡まれたことがあるが、類似の問題については、当時からあったのかもしれない。
この時代にNHKラジオで夏の暑い日の朝に論語の話を一般国民向けに毎日毎日流し、国民に一定の需要があったことに、心を動かされる。