童子問は伊藤仁斎が子供と仁斎先生の会話として書いた問答形式で論語を
する書物です。たぶん入門書を意識して書かれたものなのでしょう。
原典に当たることの大切さを何度も述べているこの本を現代語に訳したり要約してしまうこと自体が矛盾しているようにも思いますし、冒涜と感じられる方も多くおられることと思います。そもそも、現代語に訳そうとすれば、元の言葉の持つ、なにかクリアで硬質な語感も損なわれます。
私のしようとしているこの作業には大していいところがないのですが、1972年の清水茂の注自体が理解できない。1970年代当時のこの本を読む人にとっては、すでに関連する中国古典の知識や、どこに書いてあるということが重要だったのかもしれませんが、
今の人には、この「平易近情意味親切な書」は、少しもやさしくないのかもしれません。
岩波書店の青本のみをベースに現代人にわかる程度の平易な言葉に・・・なっていないかもしれませんが、やってみましょう。
いったん公開したものも、順次見直し加筆訂正を続けていくと思います。
[先行研究について]
専攻する研究については、以下がある。早く全体にアクセスしたい方はこちらをご覧になるといいでしょう。
ただし、現時点では記事の参考とはしていない。
「日本人の論語(上)童子問を読む」 谷沢永一 PHP文庫 2002年 6月
「伊藤仁斎『童子問』を読む(一)」宮川康子 中谷仁美 辻本伊織 京都産業大学日本文化研究所紀要第21号 2016 3月
「伊藤仁斎『童子問』を読む(二)」宮川康子 中谷仁美 辻本伊織 京都産業大学日本文化研究所紀要第21号 2017 3月
「伊藤仁斎『童子問』を読む(三)」宮川康子 中谷仁美 辻本伊織 京都産業大学日本文化研究所紀要第21号 2018 3月
「伊藤仁斎『童子問』を読む(四)」宮川康子 中谷仁美 辻本伊織 京都産業大学日本文化研究所紀要第21号 2019 3月