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生成系AIと承認欲求 -科学的な知見は蟷螂の鎌や隠れ蓑なのか-

この問題、取りやめになったとしても、「事実よりも感情を優先している」こと自体が、大いに問題だと考えるので、取り上げようとおもいます。

 

プロジェクト取りやめのお知らせ

www.jrc.or.jp

本プロジェクトは、当支部エントランスの壁に飾ってある、約100年前に描かれた関東大震災に関する1枚の絵画を起点に始まりました。100年という歳月によって震災当時の記憶も薄れ、描かれた当時の様子も絵画だけでは伝わり難くなってきております。AIという新しい技術のサポートを得ることで、描かれている当時の状況やそこから見出せる教訓等を想像しやすくなるのではないかという想いから、企画いたしました。関東大震災に関心をもっていただき、少しでも防災に備える行動をとっていただくことが、本プロジェクトの一番の目的でした。皆さまや皆さまの大切な人、より多くの方のいのちを守る一助になれば考え、プロジェクトを進めてまいりました。

 

このたび、私共の説明が不十分なため、本来の意図が伝わらず一部で誤解を招いてしまい、本プロジェクトを通して伝えたかったことが十分に伝えられない状況であると判断し、実施を見送ることといたしました。

 

と書かれています。これを読んで、もうAIだからというレベルの話ではなく、こういう「ぷろじぇくとごっこ」をする幼児並みの知性に危機感を抱きました。

尤もらしい言葉を連ねていますが、要するに百年前に描かれた絵(それも小学生の落書きなどではなく、二世五姓田芳柳に日本赤十字社が依頼したという作品)などには、もう価値がない。アップデートが必要だ。先人の思想や感情には価値がないから、オレが代わりに作り替えてやるよ。という歴史や過去に対する破壊行為を平然としているのです。

 

そのうえで、伝えたかったことが伝わらなかったなどとお気持ちを表明して、受け取る側に問題があるようなことを述べていますが、これを見た百年後の人はどう判断するでしょうか。そもそも自分たちで依頼した内容が伝わらないとはいったいどういうことでしょうか。

 

「災害から百年もたつと、自我と承認欲求を満たさんがために、恣意や才の欠如や努力の足りなさから情報が変転した。このような枝葉末節ばかりを追い、その枝葉を繁らせることが目的化し、他の問題についても、科学的な知見を示すと『科学を振りかざすな』『科学を隠れ蓑にするな』などと言われていた。『国民の気持ちに寄り添う』という言葉でデータを取得しないという恣意的な感染症の状況分析の妨害も行われた。もはや、あの暗黒時代については、どれが捏造でどれが真実かはわからない。それでも我々日本人は災害の恐ろしさと対応に関する叡智の根幹を伝えている。後世の日本人が、科学的な知見に基づき根幹を伝え続けることを切に祈る。」

などと歴史に刻まれないよう祈っています。

 

このサイトの内容で不十分だとどうしてかんがえたのでしょうか。ITMedia記事にあるような、「証言」がないとどうして伝わらないと考えたのでしょうか。

まさにAIの濫用としか言いようがありません。

www.jrc.or.jp

 

www.itmedia.co.jp

 

 

日本赤十字社自体は悪い団体ではありません。みなさん献血はしましょう。私も定期的にしております。