論語とコンピュータ(読み書きそろばん)

ちょっとずつ読んで、書いてみる

童子問 上巻 第三十九章

「仁を第一とするのは何でですか?」

「仁の徳は大きいのです。ただ、一言で表すなら、愛です。

君臣の関係性なら、義と言いますし、親子なら親、夫婦なら別、兄弟なら叙、友人ならば信。これらはみな愛から出てくるものです。愛は実心です。君子慈愛の徳よりおおきいものはないでしょう。残忍刻薄のこころよろひどいものはないでしょう。

孔子一門が仁を以て徳のトップとするのは、このためです。

だから仁が第一なのです。

徳を知らない者にはこれはわからないでしょう。また信じることもできないでしょう。

そして、必要ないとして別の道に去り、哲学的に難しいことを難しく語り、実体のない空虚なものに耽り、人を理とし、知覚として、日常に使うことができない。だから、徳を知らない者に仁を言っても、わからないだけではなく、無駄なのです。

忠信を主として、論語孟子を熟読して、実徳を求めることを以て心とすれば理解できるでしょう。昔の人の過ちを繰り返してはなりません。」