童子問 上巻 第43章
「せんせい、仁とは何かをさらに教えてください」
「いいでしょう。仁とは慈愛の心が内から外に及んで、至らないところがなく、その慈愛が届かないところがなく、残忍刻薄な心がないことです。
こっちにはあって、あっちにはないというのでは仁ではありません。一人にだけ施して、10人に施さないのは仁ではありません。一瞬にもあり、寝ているときもあり、心が愛を離れず、愛が心にある。そんな状態で一如になっていることこそが仁です。
だから徳は人を愛するより大きいことはなく、物を損なうより悪いことはありません。孔子一門が仁こそを学問の中心に据えているのはそのためです。」