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ちょっとずつ読んで、書いてみる

「新訂 字訓 [普及版] 白川静 平凡社」 P29

今日はゾッとした。子供のころ友人に「○○ 篤」君がいた。

あつし という項目を見て、驚いた。

 

篤志家になるのかなとか、良い意味しかないと思っていた。

しばらくして、重篤などの語を知り、おや?と思った。

事情や背景は分からないし、良い意味で名づけられているのだろうと思う。

しかし、なかなかすさまじい悪い意味が解説してある。

 

あつし「篤」 病が進んで衰弱の甚だしいことをいう。「あつしる」(下二段)はその動詞形。「しる」は「痴る」かという。「あつゆ」「あつかふ」と同源の語である。

 

中略

 

毒がその本字である。

 

もちろん

角川の新字源では

 

「篤」「あつし」 ①馬の歩みがおそい。②あつい ア 手厚い、人情が厚い イ 誠意がある 信念がかたい ウ もっぱら 雑念がない エ 病気がお思い 3 あつくする ア 手厚くする イ かたくする ④はなはだ。ふかく。

 

とあり、良い意味がある。

なぜ、白川静さんは、悪い意味とその語源が毒であるとの結論に至ったのだろう。

そしてなぜこの字が「あつい」とか「信念がかたい」という意味でつかわれるに至ったのだろうか。興味深い。