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「新訂 字訓 [普及版] 白川静 平凡社」 P19

あさる「漁、捜、求食」

鳥獣などが餌をさがし求める。転じて欲するものを探し求めることをいう。「淺す」と関係のある語であろうと思われる。水が退いて浅くなったところで、魚や貝をとることをいう。「あさり」は名詞形。

ぬばたまの夜は明けぬらし多麻の浦に安佐里する鶴鳴きわたるなり[万3598]

 

明け方に海で餌を探している鶴の声がした。それだけのことを述べている歌のようだが、きっと何か背景があるのだろう。

普段起きている人ではないのかもしれない。海外出張に行って深夜、早朝に異国につくとそれだけで何かそわそわした気持ちになる。そんな感じの歌かもしれない。

 

あさりが、水が退いて浅くなったところで魚や貝をとることの名詞形。というのも面白い。

ちょっと違う生き物がいたら、まったく違う貝や魚が「あさり」と呼ばれていたのかもしれない。