[あざな][字]実名の他に用いる通称。古く実名を用いることを敬避する俗があって、よび名を用いた。幼時に用いるものを小字といい、長じて元服ののち、本名に対してまた字をつけた。その風が我が国にも行われたのである…[玉勝間2]に「皆正しく定まれる名としもなくて、よびならへるをいへり」というのが、起源的には正しいかと思われる。…実名敬避の俗はわが国にもあって、ことに王朝期の女子の本名には知られないものが多く、清少納言、赤染衛門のような女房名などでよばれる。
地名で「大字」などというのも、まさに玉勝間の「よびならへるをいへり」なのだろうが、Google Earthなどを見ていると、どうしてそう呼び習うのか…気になるような地名も多い。
赤染衛門といえば、
さもあらばあれ大和心し賢くはほそぢにつけてあらずばかりぞ [後拾遺和歌集]
が思い出される。
日々の生活に追われ、才が激しく求められているが、大和心が堅固くないようでは仕方がないし、大和心のみがあっても仕方がない難しいものだなどと思う。